「さて、今更話だが。軽く、ウクライナとロシアの関係をツリーで話しておこう。ツイッターで初めてウクライナ…」【WilD】ワイルドゲリラ(JEFF)のスレッド
さて、今更話だが。 軽く、ウクライナとロシアの関係をツリーで話しておこう。ツイッターで初めてウクライナを知った!という人向けの、とても軽い紹介だ。 まずウクライナとロシアの地理関係はこんな感じだ。緑がロシア、オレンジがウクライナ。ウクライナ君思ったより広いな?

というのもそのはずで、ウクライナはロシアを除き、ヨーロッパで最も国土面積が広い。 主人公面しているフランスでもなく、かつて帝国を名乗ったドイツでもなく、ウクライナこそが欧州最大国家で、それを頭にいれるとスケール感が分かりやすい。小国がいじめられているとか、そういう話ではないのだ。

かつて9世紀頃。スラヴ人の祖はキエフ・ルーシ(キエフ大公国)にあった。このキエフという都市は現ウクライナの首都だ。 奇しくも現ロシア大統領ウラジーミル・プーチンとウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキーは大公国の国父の一人であるウラジーミル聖公と名を1つにしている。

そこからざっと1100年程飛ぼう。モンゴルが来たり、東欧十字軍が来たり、様々な積み重ねのうちに時は冷戦時代。 ウクライナはロシア帝国を打倒したウクライナ人民共和国を打倒したウクライナ・ソビエト社会主義共和国が治めていたが、実質的にモスクワ・クレムリンの言いなりとなっていた。

と言えども欧州第一大国は伊達ではなく、ロシアがソ連15ヶ国中不動のトップだとして、ウクライナも不動のナンバーツーだった。 広大な穀倉地帯を構え、国防・軍事工業も盛んで、しかもソ連の核ミサイルの大半を預かっており、当時の米国の頭を最も悩ませたソ連加盟国だった。

冷戦終了時点でウクライナが預かっていたソ連の核武装はICBM176、核弾頭1249、戦略爆撃機44、核巡航700、その他戦術核2000。 そんなん持たれると怖いし困る米・英・露は1994年にブダペスト覚書を締結し、ウクライナが核をロシアに全部返す代わりに、独立自治(安全保障)を提供したことになっている。

聡明な読者はもう「あれれ~おかしいぞ~」となるだろうが、ページをめくり続けよう。 2013年11月。汚職の噂が絶えない親モスクワ派のヴィクトル大統領がEU加盟の誘いを蹴り、逆にロシアからの150億ドルもの「援助金」を受け取った。 親EU派のウクライナ人は売国行為だとして大抗議に転じた。


続いて、様々なイベントが矢継ぎ早に発生する。 ・EU諸国は親EU派を支持する一方で、ロシアは親ロシア派を支持。 ・ヴィクトル大統領、民衆に追われる形でロシアに亡命。 ・親ロシアのウクライナ東部民衆は首都・西部民衆の動きをクーデターとして批判。 ・ロシア、クリミア半島を武力占拠。

クリミア半島だが、19世紀まではさておき、1917年のロシア内戦時は白軍が占拠しており、赤軍がこれを駆逐した後は「クリミア自治ソ社国」が置かれ、それをナチスに占拠し、後年ソ連が回収。 1954年にニキータ・フルシチョフが「友好の証として」ソ連ウクライナに贈呈している。してしまった。

これがソ連健在の頃は、どっちにしろウクライナはモスクワの言いなりだったのであんまり意味はなかったのだが、 ソ連が崩壊してしまうと、誰がどう見ても火種でしかなかったクリミア半島は、「ロシア軍の基地を置くが自治性を認める」という形でウクライナ領に編入された。 2014年までは。
前述のEU参加騒動直後に、クリミア半島に駐在していたロシア軍は政府機関を制圧する形で島を実行支配してしまう。 後日クリミア半島ではロシアに帰属するか、改めてウクライナに帰属するかの選挙が行われたが、この選挙の公平性は深く疑われている。 これがいわゆる、ロシアのクリミア侵攻だ。

余談だが、ロシア世論的にはソ連崩壊時から「クリミア半島はロシアの物だ」という風潮が強く、 クリミア侵攻というプーチン大統領の決断に対するロシア民衆の支持率は9割にも達するレベルで、過去最高を記録していた。
次にウクライナ東部。 東部の親ロシア派は親EU派がロシア派大統領を追い落としたのを見て、現地を武力占拠。 親ロシア派(分裂主義者)に内戦を挑まれた形になったウクライナ政権は、はじめは積極策に出なかったが、親露派が民間旅客機を撃ち落とし300人弱の犠牲者を出したのを皮切りに攻勢に出る。

政府軍が一時優勢となったのだが、露軍が「親ロシア人民の保護」を口実に内戦に介入。 大事になりすぎたので、欧州各国の監修の元でミンスク議定書というものが作られ、とりあえず休戦しようという話に。 尚話はしたが施行はされなかった。これがいわゆる「ウクライナは8年前から既に戦争状態」だ。

残りは、皆がここ数ヶ月目撃した通りだ。 ロシアの影響を嫌うウクライナは本当の意味で自主独立を果たすためにEUに接近し、NATOという西側軍事同盟に参加したがっている。 それに東部ウクライナが欲しいロシアが待てをかけるという形で、とうとうロシアの我慢の緒が切れたのが今日の日本時間正午だ。

他のポイントとしては、以下のいくつかがある: ・東部ウクライナは石炭・鉄・農地資源が豊富 ・ウクライナの文化破壊と「ロシア化」はロシア帝国エカチェリーナ2世の治世(18世紀)から始まっている ・スターリンは1930年代に東部人口を餓死させ、大量のロシア人を移民させている
資源豊富な東部ウクライナを手中に納めるために、300年前から時の支配者は様々な方法を持ってこの地方の実質的なロシア領化を推し進めてきた。 東部ウクライナの現地住民が親ロシアなのはある意味、作られた物だと言えるだろう。ではその意思は正当なのか。その意思をどうするべきか。 正答はない。
以上で、非常に軽いウクライナ~ロシアの関係解説だ。現状何が起こっているのか、直近的にはどうしてこうなったかを知りたいだけなら、これだけでも十分なはずだ。 より深い知識が欲しいなら、そこらへんは自分で歴史書なりWikipediaなりを調べてくれると嬉しい。私だってそこまで詳しくはないし。
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【翻訳】「ウクライナの軍事情勢について」:ジャック・ボー氏 The Military Situation In The Ukraine – The Postil Magazine https://t.co/oYOQX8XEnM
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